「運動会の大口注文|当日バタつかない逆算の段取り」AILLコンサルティング ブログ#089

「今年の9月って、5連休なんですよね」

先日、クルーさんにこう言われてカレンダーを2度見しました。9月19日から23日まで5連休。いわゆるシルバーウィークで、5連休になるのは2015年以来、11年ぶりだそうです。9月22日(火)は、21日の敬老の日・23日の秋分の日にはさまれて「国民の休日」になる——という仕組みで、連休がつながっています。

ただ、今回のお話しは連休そのものより、この時期に集中する運動会の大口注文のほうです。秋は学校や地区の運動会シーズン。50食・100食・200食といった注文がまとまって入ってきます。ありがたい話なのですが、事前準備が不十分な状態で当日を迎えると、厨房はパンクします。また、大口対応にかかりきりになって、通常のお客様の提供が遅れ、配達にも遅れ……というのは、恥ずかしながら私も経験したことがあります。

今回は、当店(郊外型のほっともっと)でやっている、予約を受ける時から当日の提供までの段取りを、時系列で整理してみます。


予約を受けるとき|「締切」と「まとめ方」を先に伝える

運動会の大口弁当注文を電話で受けて注文伝票に書き込むほっともっとオーナーのイメージ

大口の予約を受けるとき、その場で必ず伝えることがあります。変更・キャンセルの締切と、注文の種類のまとめ方です。

📌 数量変更・キャンセルの締切(当店の場合)

  • 数量を減らす/雨天中止・順延でキャンセル:前日の閉店時間まで(当店は22時)
  • 数量を少しだけ増やす:当日も対応可。ただし提供時間の4時間前まで(当日の予約状況にもよる)

なぜこの線引きなのか。前日にセットの仕込みと食材の解凍をするからです。幹事さんのことも考え、閉店時間までは対応するようにしています。当日「やっぱり◯食減らして」と言われても、作ってしまったものは廃棄になってしまいます。逆に、少しの増量は「作業が増えるだけ」なので当日でも受けられます。ただし、他の注文の遅れにつながってしまうので、提供時間の4時間前をリミットにしています。

「前日の22時」「4時間前」と明確な数字で伝えておくと、いいことが3つあります。お客様が自分の予定を立てやすくなること。当日に無理なお願いをされて断る、という気まずい場面が減ること。そして、電話を受けたクルーが「この時間を過ぎたら変更は受け付け出来ない」と自分で判断できるようになることです。オーナーや店長はいちいち確認されなくて済みます。

もうひとつお客様にお願いしているのが、お弁当の種類をなるべくまとめてもらうことです。1つの予約でお弁当の種類がバラバラだと、作業がその都度切り替わって時間がかかります。作成時間を短くするために、「3種類くらいにまとめていただけると助かります」とお伝えすることがあります。学校の役員さんや地区の幹事さんが取りまとめる注文だと、たいてい快く応じてくれます。出来るだけ同じ種類の商品を作る方が、当日のラインは速く、正確に回せます。

あわせて確認しておきたいのが、受け渡しの時刻と方法です。運動会の弁当は「昼食時間に一斉に食べる」ので、受け取りが11時台にどうしても集中します。同じ時間帯に複数の予約が重なりそうなら、「◯◯様は11時、△△様は11時10分」と10分単位でずらしてもらえないか、この段階で相談しておきます。配達の場合は、住所・駐車場所・誰に渡すか(受取担当者の名前と電話番号)、入り口まで取りに来てくれないか、まで確認します。

受けた内容は、注文伝票に記入します。提供時刻・数量・種類・受け渡し方法(店頭か配達か)・連絡先・雨天時のキャンセルの有無を記入します。また店舗のグループLINEでも共有し、万が一の伝票の紛失に備えておきます。


1週間前|包材を発注し、確保してまとめておく

確保用の棚に運動会向けの包材セットを準備して並べるほっともっとクルーのイメージ

予約が決まったら、まず発注するのが包材やソースなどの小袋です。弁当容器・ソースなどの小袋・バラン・紙カップなどを発注しておきます。通常営業で使う分とは別枠で考えてください。事前準備をするので、1週間前には頼んでおくと安心です。

商材が届いたら、蓋にソースなどの小袋を貼り、箸・スプーン・おしぼりなど予約ごとにまとめます。当店ではこの作業を「確保」と呼んでいます。100食の予約なら、蓋貼り済みの容器100・箸100・おしぼり100・必要に応じて個分け用の手提げ袋まで、そのお客様の分を丸ごと1か所にそろえておく、というイメージです。

確保のコツは、置き場所を固定すること。当店には確保専用の棚があって、準備できたものから、いつもそこに置いていきます。場所を固定すると、次のような効果があります。

  • 進捗がひと目でわかる:どの予約がどこまで用意できているか、棚を見ればクルー全員が把握できる
  • 引き継ぎがラクになる:「あの棚を見て」で伝わるので、シフト交代のたびに口頭で細かく説明しなくていい
  • 取り違え事故が防げる:確保した包材を、うっかり通常のお客様に使ってしまう——連休で複数の予約が重なると起きがちですが、棚を分けておけば防げます

さらに確実にするために、棚や容器に予約名・提供時刻・数量を書いた紙を貼っておきます。厨房に「予約一覧表」を作って、包材確保済み/食材確保済み/セット仕込み済みをチェックしていく形にすると、抜けがほぼなくなります。責任者が休みを取る日があっても、この見える化があれば現場が自走してくれます。


4日前|食材を「前日解凍」と「当日使用」に分けて保管

食材が納品されて、提供日の4日前には、用途で分けて保管します。

  • 前々日に解凍しておくもの:セットで使う商材など
  • 前日に解凍しておくもの:肉類など
  • 当日そのまま使用するもの:白身フライなど、冷凍のまま調理する揚げ物

この仕分けをしておくと、前日の作業で「何を出して解凍するか」を迷いません。冷凍庫の中で通常営業ぶんと大口ぶんが混ざらないよう、大口の食材は袋や箱にまとめて、予約名のラベルを貼っておきます

そして、数量チェックもこのタイミングで済ませます。発注ミスや欠品があっても、4日前なら追加発注や店舗間移動が間に合います。当日の朝に「メインの食材が足りない」と気づいても、もう打つ手がありません。「4日前に一度、伝票と現物を確認する」を習慣にしておくと、事故がぐっと減ります。


前日|解凍・セットの仕込みと、最終確認

前日に肉類を解凍しサラダなどのセット類を仕込むほっともっとクルーのイメージ

前日にやることは、大きく4つです。

① 肉類などの解凍
冷蔵庫での解凍は時間がかかります。翌日の提供時刻から逆算して、前日のうちに冷凍庫から冷蔵庫へ移しておきます。量が多いときは、保冷シッパーを使います。

② セット類の仕込み
漬物やスパゲティなど、期限が許すものは容器にセットします。仕込んだものは、ラベルを貼って、作成する順番に並べておくと、当日の作業時間が短くなります。

③ 予約内容の最終確認
「◯時にお渡し、種類は◯◯と◯◯が◯個ですね。数量減・雨天中止のキャンセルは◯時締め切りです。」と、お客様と電話で内容の確認をします。このひと手間で、当日の行き違いはほぼなくなります。

④ 当日の作成順番の確認
同じ日に複数の大口注文が重なることもあります。そのときは、提供時刻や配達の出発が早い注文から先に仕上げるのが原則です。予約一覧を提供時刻順に並べ替えて、「何時までにどこまで完成させるか」を全員で共有しておきます。伝票には作成順番を書いておくと当日の作業がスムーズになります。

前日の作業を軽くするコツは、「前日にやること」を前日に集中させないことです。包材の準備や確保は1週間前から、食材の仕分けは4日前からやってある。だから前日は、解凍とセットの仕上げに集中でき、通常営業と両立できます。

あわせて、天気予報のチェックも。雨予報なら、キャンセルの電話が来る前提で、他の予約や通常営業ぶんの仕込み量を少し控えめに調整しておきます。


当日|ポジションを固定し、炊飯から逆算する

AラインとBラインに分かれて運動会の弁当を並行して詰めるほっともっとクルーのイメージ

ここまで準備できていれば、当日は「計画どおりに手を動かすだけ」になります。

まず、大口対応中はポジションを固定します。当店の場合はこうです。

  • フライヤー1名/ガス1名:それぞれ揚げ物と焼き物に専念する
  • Aライン・Bラインの2ラインで弁当を作成。それぞれ2名ずつ:工程を分担して並行で進める

「手が空いた人が手伝う」ではなく、最初に役割を決めてから始めます。人数を増やしても、配置が曖昧だと動線が交錯して、かえって遅くなるからです。

そして、当日いちばん時間がかかるのが炊飯です。当店の場合、1回転で約40食分——炊いて、保温ジャーに移して、炊飯釜を洗って、次を炊く——ここまでで約50分かかります。釜が2つあれば、50分で80食。かりに400食の注文なら、単純計算で5回転。炊飯だけで4時間以上かかる計算です。

当日は、大口だけをやっているわけにはいきません。通常のお客様の対応もあれば、配達に出る人もいます。だから私は、大口注文は提供時刻の1時間半前までに完成させておくことを目標にしています。そこから逆算して、炊飯のスタート時間を決めます。

弁当作成の作業のほうは、お弁当の内容にもよりますが1食あたり30秒〜1分で見積もります。「炊飯に何回転」「弁当作成に何分」を先に算出して、提供時刻から逆算した炊飯計画をクルーさんと共有して当日を迎えます。ここまでやっておくと、当日は迷いなく進められます。

作成し終わったら、お客様や種類ごとに数を確認して袋にまとめます。袋にはラベルを貼ります。「◯◯様 1/5」のように、5袋中の1つ、2つ・・・と分かるようにしておくと、渡し忘れが防げます。

💡 「完成」は提供時刻ちょうどではなく、少し前に置く
提供時刻ぴったりを目標にすると、少しの遅れが他のお客様まで待たせることになります。私が「1時間半前の完成」を目標にしているのは、詰め忘れの確認・数の照合・積み込みの時間をそこに含めているからです。余白を先に予定へ組み込んでおくのがコツです。


📋 大口対応の段取り、一緒に整理しませんか?

AILLコンサルティングでは、繁忙日の予約対応やシフトの組み方、オペレーション指導など、店舗運営まわりのご相談もお受けしています。「大口注文をもっと落ち着いて回したい」というご相談もお気軽にどうぞ。

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まとめ

  • 秋は運動会シーズン。2026年は9月19日〜23日が5連休(シルバーウィーク、9月22日は「国民の休日」)で、大口の弁当注文が集中する
  • 予約を受けるとき:数量減・雨天キャンセルは前日閉店まで/増量は当日可でも提供時刻の4時間前まで/種類は3種類くらいにまとめてもらう/グループLINEでも記録を残す
  • 1週間前:包材と小袋を発注し、蓋に小袋を貼って予約ごとに「確保」。置き場所を固定すると、進捗がひと目でわかり、引き継ぎがラクで、通常在庫との取り違えも防げる
  • 4日前:食材を「前日解凍するもの」と「当日揚げるもの」に分けて保管。伝票と現物を突き合わせて数量チェックもここで
  • 前日:肉類の解凍、セット類の仕込み、予約の最終確認(この時点でキャンセル時間の再確認)。天気予報も確認
  • 当日:ポジションを固定(フライヤー1名・ガス1名、A/Bラインで各2名)。ご飯は1回転約40食で約50分。提供時刻の1時間半前の完成から逆算して炊飯計画を立てる。弁当作成は1食30秒〜1分で見積もり