「従業員・お客様・本部・自分「4つの満足」の連鎖」AILLコンサルティング ブログ#075

「今日も一日頑張ったはずなのに、なんか心が満足しない」——店長時代、仕事に慣れてきた時期に、そう感じる日が増えていました。

シフトを組んで、従業員へ指導をし、お店を回して、本部への報告もする。やることは山ほどあるのに、「結局、何のために頑張っているんだろう」と、分からなくなる時がありました。今日はそんな迷いの中で、自分なりにたどり着いた「4つの満足」という考え方についてお話ししたいと思います。


頑張りの「軸」が見えなくなった店長時代

慌ただしい厨房で複数の業務に追われ表情が定まらない若い店長のイメージ

プレナスの正社員として店長をしていたころ、私は常にいくつもの「顔」を同時に見ながら働いていました。目の前にはクルー、レジの向こうにはお客様、そして数字を求めてくる上司(本部)。それぞれに応えようとするあまり、自分がどこに向かって頑張っているのか分からなくなる時がありました。

クルーには気持ちよく働いてほしい。お客様には満足して帰ってほしい。上司からは数字で評価される。そのすべてをこなそうとすると、当然パンクします。「今日はクルーを優先したから、人件費がいつもより増えた」「数字を追いすぎて、お客様に満足を与えられなかった」——そんな綱引きの中で、いつも何かを犠牲にしている感覚がありました。

特に人手が足りない時期は、この綱引きが顕著でした。シフトの穴を埋めることで頭がいっぱいになり、クルー一人ひとりの表情に気を配る余裕がなくなる。当然、現場の空気はピリピリして、お客様への対応にも余裕がなくなっていく。「何とかしなきゃ」と焦れば焦るほど、結局何もかも中途半端になっていました。


気づいたのは、満足はつながっているということ

ノートに正四面体を描き「自分・従業員・お客様・本部」と書き込んでいるイメージ

あるとき、「従業員」「お客様」「本部」「自分」という4つの軸は、独立したものでありながらも、お互いに影響し合っているのではないかと考え始めました。

この4つの軸は、正四面体の四つの頂点のように、互いにつながり合っているのではないかと思ったのです。従業員の満足があるから、お客様に満足を与えられる。お客様が満足して笑顔になれば、お店の雰囲気が良くなり売上が伸びて、上司(本部)の満足にもつながる。そして本部の満足は、今度は自分自身の満足として返ってくる。その満足が、また「クルーにもっと気持ちよく働いてほしい」という気持ちになって、従業員の満足へとつながっていく。バラバラに追いかけていた4つの満足が、実は一つの循環だったんです。


従業員→お客様→本部→自分、そしてまた従業員へ

商品を受け取り満足そうにしているお客様のイメージ

この循環に気づいてから、私が最初に意識するようになったのは「従業員の満足」でした。クルーが気持ちよく働けていないお店で、お客様に良い接客ができるはずがありません。逆にクルーが笑顔で働けているお店は、その空気が自然とお客様にも伝わります。「いらっしゃいませ」の一言の明るさ、商品を渡すときの一言の添え方。そういう小さなところに、クルーの満足度がそのまま表れるんです。

お客様が満足して笑顔で帰っていき、リピーターとして通ってくれるようになれば、お店の雰囲気は自然と良くなり、売上も伸びていきます。それは上司(本部)が求める数字の達成にもつながり、上司との関係も良好になっていく。良い仕事が出来るのは、この「本部の満足」があってこそだと感じています。

そして、この一連の流れがうまく回っているとき、私自身が一番「この仕事をやっていてよかった」と感じます。クルーとお客様、両方の笑顔を近くで見られること、そして上司からの信頼を積み重ねられていること。それが自分の満足につながり、その満足はまた「クルーにもっと気持ちよく働いてほしい」という気持ちになって、従業員の満足へと戻っていくんです。


オーナーになった今も、この循環を大事にしている

店内を見渡しながら4つの満足を意識しているオーナーのイメージ

オーナーになった今も、この「4つの満足」の考え方は自分の中の軸として残っています。何か違和感を覚えたとき、「これは4つの満足のどこが欠けているか」を考えるようにしています。

たとえば人手が足りず現場がギスギスしているときは、たいてい「従業員の満足」が欠けています。シフトの組み方を見直す、声かけを増やす、指導の仕方を変える。そこを整えることが結局はお客様満足につながり、本部の満足につながり、自分の満足にもつながって、数字にも表れてくる。4つのうちどこが欠けているかさえ見極められれば、あとは勝手に連鎖していく。そのことを、私は店長時代の試行錯誤を通じて学びました。

実際、繁忙期に人手不足でクルーの表情が硬くなっていた時期、欠けていたのは明らかに「従業員の満足」でした。クルーへの声かけを増やして、クルーと一緒に頑張っただけで、現場の雰囲気は目に見えて変わりました。クルーの表情に余裕が戻ると、接客も自然と丁寧になり、お客様も笑顔で商品を受け取っていく。欠けている部分を埋めれば、他の3つの満足は後からついてくるんだと、このときあらためて実感しました。


まとめ

  • 店長時代、クルー・お客様・本部それぞれに応えようとするあまり、何を優先すべきか分からなくなる時期があった
  • そこで自分なりに気づいたのが「従業員・お客様・本部・自分」という4つの満足の考え方
  • この4つは独立したものではなく、従業員の満足→お客様の満足→本部の満足→自分の満足、そしてまた従業員の満足へと循環している
  • 循環の起点になるのは、多くの場合「従業員の満足」。クルーが気持ちよく働けているお店は、その空気が自然とお客様に伝わる
  • オーナーになった今も、判断に迷ったときは「4つの満足のどこが欠けているか」を考えるようにしている

4つの満足は、どれか一つだけを追いかけても長続きしません。でも今どこが欠けているかさえ見極められれば、あとは自然とつながっていく。この気づきは、今もお店を見るときの私の軸になっています。

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