「夏の電気代を抑える|店舗でできる節電の工夫」AILLコンサルティング ブログ#080

「先月の電気代どうでした?」

夏になると、オーナー同士でこんな会話が増えてきます。私自身、初めて夏の電気代の請求書を見た時、思わず二度見してしまったことがあります(笑)。エアコン、冷蔵・冷凍庫、厨房機器……夏はどれもフル稼働になるので、電気代が跳ね上がるのは仕方のないことです。ただ、その中でも「工夫すれば減らせる部分」は確実にあります。

今回は、私が実際の店舗運営の中で意識している、夏の電気代を抑えるための節電の工夫をまとめてみました。


夏は電気代が上がって当たり前。だからこそ「減らせる部分」を見る

夏の電気代が高くなる一番の理由は、エアコンと冷機器の負荷が同時に大きくなるからです。外気温が上がれば、冷房はより多くの電力を使いますし、冷蔵・冷凍庫も庫内温度を保つためにフル稼働になります。ここを「仕方ない」で片付けてしまうと、毎年同じだけ電気代を垂れ流すことになってしまいます。ゼロにすることはできませんが、日々の小さな積み重ねで確実に減らせる部分があるので、順番に見ていきましょう。


エアコンの設定温度を1℃見直すだけで変わる

エアコンの設定温度を確認するほっともっとオーナーのイメージ

一般的に、冷房の設定温度を1℃上げるだけで、消費電力は約1割減ると言われています。店内は厨房の熱気もあって、お客様用の空調とはまた別の悩みがありますが、「なんとなくで設定している」という店舗は意外と多いものです。

参考までに、私の店舗の7月分の電気代を見てみると、空調や冷蔵・冷凍庫などの動力契約分だけで11万円を超えていました。この中でエアコンが2〜3割程度を占めていると仮定すると、1℃見直すだけで月あたり2,000〜3,000円台、夏の数ヶ月で1万円前後の差になる計算です。「たかが1℃」と思っていましたが、数字にしてみると決して小さくないと感じています。

ポイントは、体感だけで温度を決めないことです。厨房の熱気がこもりやすい時間帯とそうでない時間帯を意識して、ピーク前後で設定温度にメリハリをつける。また、フィルターの目詰まりや室外機周りに物が置かれていないかも、冷房効率に直結します。室外機に直射日光が当たっている場合は、日よけを設置するだけでも効きが変わってきます。「設定温度を下げる」以外の確認ポイントも、まず一度チェックしてみてください。


看板の点灯時間はタブレットのタイマー機能で管理する

厨房のタブレットで看板の点灯時間を設定するほっともっとオーナーのイメージ

看板照明は、店内から確認しづらいのもあって、明るい時間帯に点けていたり、暗くなっても点けるのを忘れていたりと、適切な管理がしにくい設備の一つです。1年中同じ時間に点けているという店舗もあり、地味に電気代を押し上げています。

ほっともっとの店舗では、厨房にあるタブレットのタイマー機能を使えば、看板の点灯時間を忘れずに点けることができます。点け忘れをなくせるので、まだ活用できていない店舗があれば、一度設定してみることをおすすめします。早すぎる点灯(日中から点ける等)は電気代の無駄になりやすく、逆に真っ暗になってから点けると、通行人の「気づき」のタイミングを逃してしまいます。おすすめのタイミングは、日の入り時刻から30分以内の時間です。季節毎にタイマーの時間を調整して、無駄のない管理をしましょう。


バックヤードの電気は「使ったら消す」を徹底する

お客様の目に入らないバックヤードや更衣室、トイレは、照明のつけっぱなしが起きやすい場所です。誰か一人が入ったときに電気をつけて、そのまま消さない、というケースは意外と多いのではないでしょうか。

「使う人がいなくなったら消す」というシンプルなルールでも、意外と徹底出来ていない店舗もあります。人感センサー付きの照明に切り替えるのも一つの方法ですが、まずは「出る時は消す」という習慣を、根づかせることから始めるのが手軽だと思います。


冷凍・冷蔵機器のフィルター清掃を定期的に行う

冷蔵・冷凍機器のフィルターを清掃するほっともっとオーナーのイメージ

冷蔵庫・冷凍庫の背面や上部にあるフィルター(熱交換器のホコリ)が詰まっていると、庫内を冷やすために余計な電力を使うことになります。ホコリが厚く積もった状態で稼働させ続けるのは、目詰まりしたエアコンフィルターで冷房をつけ続けているのと同じような状態です。

フィルター清掃は、半月に1回など頻度を決めてクリーンスケジュール表に組み込んでおくと、やり忘れを防ぎやすくなります。あわせて、庫内に食材を詰め込みすぎないことも大切です。冷気の通り道がふさがれると、冷えにムラが出て機器がフル稼働し続ける原因になります。食品衛生の観点でも、庫内の整理整頓は日頃から意識しておきたいポイントです。


そのほかにもできる、小さな節電の工夫

ここまでの4つ以外にも、店舗ですぐに取り入れられる工夫をいくつか紹介します。

  • 冷蔵・冷凍庫の開閉を最小限にする:扉を開けている時間が長いほど庫内温度が上がり、冷やし直すために余計な電力を使う。取り出すものを事前に決めてから開ける習慣をつける
  • 冷蔵・冷凍庫やショーケースの温度設定を確認する:必要以上に低い温度に設定していないか、ほっともっとのルールに従った設定温度になっているか確認する
  • 照明のLED化を進める:まだ蛍光灯や白熱灯が残っている箇所があれば、寿命のタイミングでLEDに切り替えることで消費電力を抑えられる
  • 厨房機器の予熱・稼働開始タイミングを見直す:ビーフェポットなどの厨房機器を1日中つけっぱなしにしていないでしょうか。13時から15時までの間は消したり、20時以降は消したりすることで節電につながります

どれも一つひとつは小さな工夫ですが、夏の数ヶ月間積み重なると、決して小さくない差になってきます。すべてを一気にやろうとせず、まずは自分の店舗で「これはできていないかも」と思うものから一つずつ手をつけてみてください。


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まとめ

  • 夏の電気代が上がるのは仕方のないことだが、日々の工夫で「減らせる部分」は確実にある
  • エアコンの設定温度を1℃見直すだけでも、消費電力は約1割変わると言われている
  • 看板の点灯時間は、厨房のタブレットのタイマー機能で管理し、点け忘れをなくす
  • バックヤードの電気は「使ったら消す」を習慣にする
  • 冷凍・冷蔵機器のフィルター清掃を定期的に行い、庫内には詰め込みすぎない
  • そのほか、冷機器の開閉を減らす・LED化・厨房機器の稼働タイミング見直しなど、小さな工夫の積み重ねが夏場のコストを左右する