「ライス完全ガイド|向いてる性格・仕事内容・教え方」AILLコンサルティング ブログ#065

「とりあえず最初はライスをやってもらおう」

新人クルーの配置を考えるとき、「とりあえず」で決めていないでしょうか。

ライスほど店舗全体を見渡す力が求められるポジションはありません。約70種類あるお弁当のメニューを覚え、注文が入れば瞬時に容器を選んで盛り付け、フライヤーやガスに次に作ってほしいものを指示する——ライスは、いわば厨房の司令塔です。

前回の記事(#62 カウンター編)に続き、ポジション診断シリーズ第2弾となる今回は、「ライス」に向いている性格、実際の仕事内容、そして現場での教え方をまとめていきます。


ライスに向いてる人・向いてない人

丁寧かつスピーディーにご飯を盛り付けるクルーのイメージ

ライスと聞くと「ご飯をよそうだけの簡単な仕事」と思われがちですが、向いているかどうかを分けるのは丁寧さとスピードを両立できるかどうかです。

盛り付けがデコボコだったり、容器の四隅に余白ができていたりしても気にならない——そういうタイプは、正直ライスには向いていません。見た目の丁寧さは、お客様が箱を開けた瞬間の印象に直結します。かといって丁寧さだけを重視してゆっくり作業していると、今度は後工程が詰まってしまいます。丁寧かつスピーディーに盛り付けられる人が、ライスに向いている人です。

ライスが盛り付けを終えないと、フライヤーやガスのポジションは作業が進みません。ライスの手が止まれば、店舗全体の提供スピードが止まってしまう。自分の作業の遅れが、他のポジション全体に波及するという自覚を持てる人でないと、このポジションは務まりません。

さらにライスは伝票に一番近い場所にいるため、フライヤーやガスに「今何の注文が入っていて、何を何個準備してほしいか」を指示する司令塔の役割も担います。自分の手元の作業だけに集中してしまうタイプよりも、店内全体の状況を把握しながら周りに声をかけられる人の方が向いています。

逆に向いていないのは、目の前の一品に集中しすぎて周りが見えなくなるタイプや、丁寧さを優先するあまりスピードが犠牲になってしまうタイプです。ライスは「一人で黙々とこなす仕事」ではなく、店舗全体の流れを動かす立場だと捉えると、必要な資質が見えてきます。

加えて、ライスは電話対応やネット注文の読み上げも担当するため、盛り付けや調理の手を動かしながら耳と口も使うマルチタスクが求められます。一つのことしか同時にできないタイプよりも、複数の作業を並行して回せる人の方が向いています。


ライスの仕事内容

フライヤーやガスに指示を出すライス担当クルーのイメージ

ライスの仕事は、注文が入ったところから始まります。まず容器を素早く選択し、ご飯を丁寧かつスピーディーに盛り付け、続けて漬物類を規定量のせます。ここまでを終えたら、メニューに応じてフライヤーかガスのポジションに商品を渡します

ほっともっとのお弁当は約70種類あります。一つひとつのメニューを覚え、注文が入った瞬間に「どの容器で、何をのせて、どこに渡すか」を判断しなければなりません。覚えることの多さと、判断のスピードが求められる仕事です。

ライスはキッチンの中で伝票に一番近い場所にいます。そのため、フライヤーやガスに対して「今この注文が入っていて、これを何個準備してほしい」と指示を出す司令塔的な役割も担っています。各ポジションが今何を作っているかを把握しながら、次の指示を出し続ける必要があります。

出来上がった商品が戻ってきたら、中身に間違いがないか最終確認をして、小袋を付け、伝票ごとにまとめてカウンターへ渡します。さらに、必要に応じてカウンターのサポートに入り、商品の提供やレジ対応を行うこともあります。

このほか、電話対応やネット注文の読み上げもライスの仕事です。電話で注文を受けたり、ネット注文の内容を各ポジションに向けて読み上げたりと、伝票に一番近い立場だからこそ担う役割です。手元の作業を止めずに、これらの対応もこなさなければなりません。

調理面では、電磁調理器を使って親子丼やかつ丼を作るのもライスの担当です。盛り付けや司令塔の役割に加えて、調理作業もあります。

炊飯・炊き取り自体は、それほど力のいる作業ではありません。ただし炊飯には約40分かかるため、この先どれくらいご飯が必要になるかを見越して、炊くタイミングを判断しなければなりません。特に夜のピークが過ぎた後は、店舗の状況を見ながら、閉店までご飯が足りなくならないよう微調整する必要があります。


ライスの仕事の教え方

新人クルーにライス業務を教えるほっともっとオーナーのイメージ

私の店舗では、まず盛り付けの丁寧さとスピードから練習してもらいます。ご飯の量、ご飯を潰さずに容器の四隅まできれいに仕上げる感覚を、繰り返しの中で体に覚えてもらう段階です。

次に取り組むのが約70種類のメニューを覚えることです。繰り返し行うことで、マニュアルを見なくても少しずつ出来る範囲を広げていきます。

盛り付けとメニューがある程度身についたら、フライヤーやガスへの指示出しを練習してもらいます。最初はこちらが「今何を伝えればいいか」を横で声かけしながら、徐々に自分の判断で指示を出せるようにしていきます。この段階まで来ると、ライスとしてひとり立ちしたと言えます。

最後に、炊飯のタイミングの見極めです。ここは経験がものを言う部分なので、実際にピークの流れを何度も経験してもらいながら、「このタイミングで炊けば、ちょうど良い」という感覚を掴んでもらうようにしています。

盛り付け→メニュー暗記→指示出し→炊飯タイミングという順番で段階を踏むことで、司令塔としての役割まで無理なく身につけてもらえると感じています。

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まとめ

  • ライスに向いているのは「黙々と単独作業できる人」ではなく、丁寧さとスピードを両立できる人
  • ライスの盛り付けが滞ると、フライヤーやガスなど後工程全体が止まってしまうため、責任の重いポジション
  • 伝票に一番近い場所にいるため、フライヤーやガスへ指示を出す司令塔的な役割も担う
  • 仕事内容は、容器選択・盛り付け・漬物のせから、約70種類のメニュー暗記、最終確認・小袋付け・カウンターへの受け渡し、電話対応・ネット注文の読み上げ、電磁調理器での調理、時にはカウンターサポートまで幅広い
  • 炊飯は時間がかかるため、先を見越したタイミング判断が必要。特に夜ピーク後の微調整が肝心
  • 教え方は、盛り付け→メニュー暗記→指示出し→炊飯タイミングの順で段階を踏むと定着しやすい