「有給休暇って、パートでも使えますよね?」
クルーから聞かれるたびに曖昧な返事をしているオーナー、多いのではないでしょうか。有給休暇のルールは、正社員だけでなくパート・アルバイトにも適用されます。放置していると、後からまとめて請求されるリスクもあります。
今回は、有給休暇がいつから何日つくのか、パートへの比例付与とは何か、2019年から義務化された「5日取得」まで、フランチャイズオーナー目線で整理します。
有給休暇が付く2つの条件

有給休暇が付与されるには、次の2つをどちらも満たす必要があります。
💡 有給付与の2条件
① 雇い入れの日から6ヶ月継続して勤務していること
② その期間の全労働日の8割以上出勤していること
この2つを満たした翌日に、有給休暇が初めて付与されます。「入社してすぐ使える」と思っているクルーもいますが、原則として入社から6ヶ月後が起点です。
8割出勤の計算では、産前産後休業・育児休業・業務上の傷病による休業は出勤扱いとなります。一方、正当な理由のない欠勤が多いと8割を下回り、その期間は付与されません。
フルタイムクルーの付与日数
週の所定労働時間が30時間以上、または週5日以上勤務するフルタイムのクルーには、継続勤務年数に応じて次の日数が付与されます。
| 継続勤務年数 | 付与日数 |
|---|---|
| 6ヶ月 | 10日 |
| 1年6ヶ月 | 11日 |
| 2年6ヶ月 | 12日 |
| 3年6ヶ月 | 14日 |
| 4年6ヶ月 | 16日 |
| 5年6ヶ月 | 18日 |
| 6年6ヶ月以上 | 20日(上限) |
有給休暇は付与日から2年間有効です。当年に使い切れなかった分は翌年に繰り越せますが、2年を超えると時効で消滅します。
パート・アルバイトへの「比例付与」

週の所定労働時間が30時間未満かつ週の所定労働日数が4日以下のクルーは、所定労働日数に比例した日数が付与されます。これを「比例付与」といいます。
ほっともっとで多い「週3日」「週4日」のパターンを例に見てみましょう。
| 継続勤務年数 | 週4日勤務 | 週3日勤務 | 週2日勤務 |
|---|---|---|---|
| 6ヶ月 | 7日 | 5日 | 3日 |
| 1年6ヶ月 | 8日 | 6日 | 4日 |
| 2年6ヶ月 | 9日 | 6日 | 4日 |
| 3年6ヶ月 | 10日 | 8日 | 5日 |
| 4年6ヶ月 | 12日 | 9日 | 6日 |
| 5年6ヶ月 | 13日 | 10日 | 6日 |
| 6年6ヶ月以上 | 15日 | 11日 | 7日 |
「うちはパートしかいないから関係ない」は誤りです。週1日のクルーにも有給付与の義務があります。長く勤めてくれているパートクルーには、それに応じた日数が積み上がっています。
2019年から義務化された「5日取得」
2019年4月の法改正で、年10日以上の有給が付与された労働者に対して、使用者(オーナー)が年5日以上取得させる義務が生じました。
対象になるのは、初回付与で10日以上もらえる労働者です。フルタイムは全員、週4日勤務で3年6ヶ月以上のパートも対象に入ります。
⚠️ 5日取得義務のポイント
・対象者ごとに基準日から1年以内に5日を取得させること
・クルーが自ら取得した日数も5日にカウントできる
・取得日数・取得日・残日数を記録・保存する義務がある(3年間)
・違反した場合、30万円以下の罰金(対象者1人につき)
「クルーが申請してこないから取らせていない」では義務を果たしたことになりません。オーナー側から積極的に取得を促す必要があります。
自分でやるとどこが大変か
① クルーごとに付与日がバラバラ
入社日が人によって違うため、有給の付与日も全員異なります。「Aさんは今月が付与日」「Bさんはあと2ヶ月後」という管理を全員分続けるのは手間がかかります。
② 比例付与の計算が複雑
週3日なのか週4日なのか、年間の所定労働日数はいくつか——クルーごとに契約内容が違うと、それぞれ個別に計算が必要です。シフトが変動するクルーはさらに判断が難しくなります。
③ 5日取得の期限管理を忘れやすい
年度末が近づいて「まだ5日に届いていない」と気づいても、繁忙期と重なると取得させるタイミングを作るのが難しくなります。年間を通じた計画的な管理が必要です。
給与計算代行でまとめて任せる

有給休暇の付与・管理・取得記録は、給与計算と密接に関係しています。取得日に有給分の賃金を正しく計算し、台帳に記録する——このサイクルを毎月続けるのは、給与計算の一部として整理するのが効率的です。
AILLコンサルティングの給与計算代行では、有給管理台帳の整備・付与日数の確認・5日取得状況の把握も含めて対応しています。「誰があと何日残っているか」をいつでも確認できる状態を一緒に作りましょう。
こんなオーナーにおすすめ
- パートにも有給が必要とわかっているが、管理できていない
- 入社日がバラバラで、誰がいつ付与日なのか把握できていない
- 5日取得義務の対象者が誰なのかわからない
- 有給管理台帳を作ったことがない
- 給与計算と一緒に有給管理もまとめて任せたい
有給休暇の未払いや管理不備は、退職後に請求されるケースもあります。早めに整備しておくことが、トラブル防止につながります。お気軽にご相談ください。
📋 給与計算代行のご相談、受け付けています
有給管理台帳の整備・付与日数の計算・5日取得の記録管理も、給与計算代行に含めてお任せいただけます。「今の状態を一度確認したい」というご相談だけでもお気軽にどうぞ。
まとめ
- 有給休暇は「6ヶ月継続勤務 + 8割出勤」を満たした翌日に付与される
- フルタイムは6ヶ月後に10日、継続年数に応じて最大20日まで増える
- パート・アルバイトにも週の所定労働日数に応じた比例付与が義務(週1日でも対象)
- 年10日以上付与された労働者には、年5日以上取得させる義務がある(2019年改正)
- 有給は付与日から2年間有効。前年繰越分と合算して管理する
- 取得日数・取得日・残日数は3年間の記録保存が義務。違反は罰金対象
- 給与計算代行に含めると、付与・管理・記録をまとめて対応できる