「社会保険の加入基準|パート・アルバイトの判断ポイント」AILLコンサルティング ブログ#029

「このクルー、社会保険に入れないといけないのかな」——シフトが増えてきたパートを見て、そう感じたことはないでしょうか。

社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入義務は、正社員だけに限りません。一定の条件を満たすパート・アルバイトにも適用されます。「◯◯さんの勤務が増えてきたけど、週何時間以上から社会保険加入対象?」という判断に迷うオーナーは少なくありません。

今回は、加入義務の判断基準を2つのルールに整理し、よくある迷いポイントも合わせて解説します。


まず「4分の3ルール」で判断する

社会保険の加入基準を確認するほっともっとオーナーのイメージ

社会保険の加入義務があるかどうかは、まず「4分の3ルール」で判断します。

週の所定労働時間と月の所定労働日数が、フルタイム労働者(正社員など)の4分の3以上であれば、加入義務があります。

判断基準 フルタイムの例 加入ラインの目安
週の所定労働時間 40時間 30時間以上
月の所定労働日数 20日 15日以上

「どちらか一方」ではなく、両方の条件を満たすかどうかで判断します。週30時間以上働いていても、月の出勤日数が14日以下であれば、このルールの対象外になります。

💡 「所定労働時間」は契約上の時間で判断

実際に働いた時間(残業含む)ではなく、雇用契約書や労働条件通知書に記載された「所定労働時間」をもとに判断します。


規模が大きければ「週20時間ルール」も確認が必要

パート・アルバイトの加入判断を整理するほっともっとオーナーのイメージ

社会保険の適用対象は、段階的に拡大されています。一定規模以上の事業所(特定適用事業所)では、4分の3ルール未満の短時間労働者にも加入義務が発生します。

2024年10月以降、社会保険の適用者数が51人以上の事業所が対象となっています。該当する場合、次の4つの条件をすべて満たすクルーは加入義務があります。

【補足】「51人以上」は全従業員数ではなく、すでに社会保険に加入している被保険者の数で判断します。パートを多く雇用していても、社会保険の加入者数が50人以下であれば特定適用事業所には該当しません。自社がどちらに当たるか不明な場合は、年金事務所に確認することができます。

条件 内容
週の所定労働時間が20時間以上
月額賃金が8.8万円以上(年収106万円以上相当)
2ヶ月を超える雇用の見込みがある
学生でない(昼間学生を除く)

フランチャイズの場合、従業員数のカウントは店舗単位ではなく法人(経営者)単位で行います。複数店舗を経営している場合は、合算した人数で判断する必要があります。自社が対象かどうか不明な場合は、AILLにご相談ください。


判断に迷いやすいケース

① シフトが月によって変動するクルー

シフト制で働くクルーは、月によって出勤日数や労働時間が変わります。この場合も、判断の基準は「実際に働いた時間」ではなく「雇用契約上の所定労働時間・日数」です。契約書の内容が実態と大きくずれている場合は、契約内容の見直しも検討が必要です。

② 掛け持ちをしているクルー

他の職場でも働いているクルーについては、当店の労働時間だけで判断します。他社での労働時間は原則として合算しません。ただし、同一法人内の複数店舗をまたいで働く場合は合算が必要です。

③ 2ヶ月以内の短期雇用で採用したクルー

2ヶ月以内の雇用契約であれば、加入義務はありません。ただし、契約を更新して2ヶ月を超えた時点で加入義務が発生します。「短期のつもりで採用したが、そのまま継続している」というケースは注意が必要です。

④ 加入を本人が希望しない場合

加入条件を満たしているにもかかわらず、「入りたくない」とクルーが言う場合でも、事業主側に加入させる義務があります。本人の希望によって加入を免除することはできません。


加入させるときの手続き

給与計算代行で社会保険の手続きを任せるほっともっとオーナーのイメージ

加入義務が確認できたら、速やかに手続きを行います。採用時の手続きについては、クルー採用後に必要な保険加入の期限と流れで詳しく解説しています。ここでは流れを簡単に確認します。

手順 内容 期限・目安
健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届を提出 資格取得日から5日以内
健康保険証が発行される 提出後1〜2週間程度
翌月の給与から保険料を控除開始 資格取得月の翌月分から

加入が遅れた場合、過去2年間にさかのぼって保険料を徴収される場合があります。これはオーナー(事業主負担分)だけでなく、クルー(本人負担分)にも同時に請求が届きます。月数万円相当の保険料が数十ヶ月分まとめて請求されるケースもあり、クルーにとっても想定外の大きな負担になります。「そのうち手続きしよう」と後回しにせず、加入条件を満たしたタイミングで速やかに対応することが重要です。


こんなオーナーにおすすめ

  • シフトが増えてきたパートを社会保険に入れるべきか判断できていない
  • 加入基準の変更(2024年10月〜)に対応できているか不安
  • 短期で採用したクルーが長期化しており、手続きが必要か確認したい
  • 社会保険の手続きを給与計算とまとめて任せたい

社会保険の加入漏れは、後から発覚すると遡及対応が必要になります。「このクルーはどうだったか」と気になる場合は、早めに確認・整理することをおすすめします。お気軽にご相談ください

📋 給与計算代行のご相談、受け付けています

社会保険の加入判断・資格取得届の作成・給与からの控除計算まで、給与計算代行に含めてお任せいただけます。「加入すべきクルーがいるか確認したい」というご相談だけでもお気軽にどうぞ。

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まとめ

  • 社会保険の加入義務は、まず「4分の3ルール」(週の所定労働時間・月の所定労働日数がフルタイムの4分の3以上)で判断する
  • 社会保険適用者が51人以上の事業所は「週20時間ルール」も確認が必要(2024年10月〜)
  • 判断基準は「実際に働いた時間」ではなく「契約上の所定労働時間」
  • 短期契約が継続して2ヶ月を超えた時点で、加入義務が発生する
  • 本人が希望しない場合でも、条件を満たせば加入させる義務がある
  • 加入が遅れると過去2年分の遡及徴収が発生するため、早めの対応が重要