年度更新・算定基礎届・月変と、年次や随時の社会保険手続きを解説してきました。でも実際の現場では、それよりもっと頻繁に発生するタイミングがあります。
それが、クルーが新しく入社する時です。募集を出してもなかなか応募が来ず、ようやく採用できたクルーだからこそ、入社時の保険加入手続きを漏れなく進めたいところです。
「入社のたびに、保険の手続きって何をどうすればいいんだっけ」——毎回調べ直しているオーナー、多いと思います。今回は雇用保険と社会保険の加入手続きを、いつまでにどこへ出すかという視点で整理します。
まず「どの手続きが必要か」を判断する

保険の手続きは2種類あります。それぞれ加入条件・期限・提出先が異なります。
| 手続き | 加入条件(目安) | 期限 | 提出先 |
|---|---|---|---|
| 雇用保険 | 週20時間以上 かつ 31日以上の雇用見込み | 入社翌月の10日まで | ハローワーク |
| 社会保険 (健康保険・厚生年金) |
週の所定労働時間・月の所定労働日数が正社員の4分の3以上 | 入社から5日以内 | 年金事務所 |
どちらの加入も必要な人・雇用保険だけ必要な人・どちらも不要な人——まずこの判断が最初のステップです。条件に当てはまるかどうかを確認せずに進めると、本来加入すべきクルーが未加入になるリスクがあります。
雇用保険の加入手続き
雇用保険は、次の2つをどちらも満たす場合に加入義務が生じます。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 31日以上の雇用が見込まれる
「短時間だから関係ない」と思いがちですが、週末に長時間勤務をしていると週20時間を超えるケースは珍しくありません。シフトを組むときに確認しておく習慣をつけると安心です。
手続きの流れは次のとおりです。
① 雇用保険被保険者資格取得届を作成する
ハローワークの窓口で書式をもらうか、e-Govで電子申請できます。
② ハローワークへ提出する
期限は入社翌月の10日まで。前職がある場合、クルーから「雇用保険被保険者証」を預かると手続きがスムーズです。前の職場から引き継いだ被保険者番号を使います。
③ 雇用保険被保険者証を受け取り、クルーに渡す
手続き後にハローワークから交付されます。クルーの手元に保管してもらいます。
社会保険の加入手続き

社会保険(健康保険・厚生年金)の加入条件は、雇用保険と異なります。
| 雇用形態 | 加入の判断 |
|---|---|
| 正社員・常勤スタッフ | 全員加入 |
| パート・アルバイト | 週の所定労働時間・月の所定労働日数が正社員の4分の3以上なら加入。目安は週30時間以上 |
ほっともっとの店舗ではパート・アルバイト中心の構成が多いですが、フルタイムに近い勤務をしているクルーがいれば確認が必要です。週30時間以上が目安になります。
手続きの流れは次のとおりです。
① 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届を作成する
② 年金事務所へ提出する
期限は入社日から5日以内。雇用保険(翌月10日)より大幅に短いため注意が必要です。
③ 健康保険証が届いたらクルーに渡す
申請後、数日から1〜2週間で健康保険証が届きます。それまでは「資格取得証明書」を発行してもらうことも可能です。
⚠️ 社会保険の期限は「5日以内」
雇用保険は翌月10日ですが、社会保険は入社から5日以内が期限です。新しいクルーが来た日に動き始めないと、あっという間に過ぎてしまいます。繁忙期の採用が続く時期は特に見落としやすいので要注意です。
入社時にクルーから確認するもの
手続きをスムーズに進めるために、入社初日に確認しておきたいものをまとめます。
| 確認する書類・情報 | 理由 |
|---|---|
| マイナンバー | 雇用保険・社会保険・年末調整の届出に必要 |
| 雇用保険被保険者証 | 前職の被保険者番号を引き継ぐため(前職がある場合) |
| 扶養控除等申告書 | 所得税の源泉徴収区分を決めるために必要 |
| 給与振込口座 | 初回給与の支払いに必要 |
特にマイナンバーは後から集めようとすると、忘れてしまいがちです。入社当日に確認する流れを作っておきましょう。
自分でやるとどこが大変か
① 加入条件の判断に毎回迷う
「週20時間って、週によってまちまちの場合はどうするの?」「この人のシフトは4分の3以上になる?」——契約上の所定労働時間と実際のシフトが違うケースや、複数の条件が重なるケースで迷います。
② 社会保険の5日という期限が短い
採用が決まってバタバタしているうちに5日が過ぎてしまった——という経験があるオーナーは少なくありません。特に忙しいときは、手続きが後回しになりがちです。
③ 提出先が2か所ある
雇用保険はハローワーク、社会保険は年金事務所——同じ「保険加入手続き」でも提出先が違います。「あれ、どっちをどこに出すんだっけ?」と分からなくなりがちです。
給与計算代行でまとめて任せる

年度更新・算定基礎届の提出は年1回ですが、入社時の保険加入手続きは採用のたびに発生する可能性があります。毎回調べ直す手間・期限を見落とすリスク・提出先の確認——これが積み重なると、かなりの時間と労力になります。
AILLコンサルティングの給与計算代行では、毎月の給与計算だけでなく、入社時の雇用保険・社会保険の加入手続きも対応しています。「来週、新しいクルーが入ります」と連絡いただければ、必要な手続きをまとめて対応します。
こんなオーナーにおすすめ
- 入社のたびに「これで合ってる?」と不安になる
- 社会保険の5日以内という期限を過ぎてしまったことがある
- 雇用保険はハローワーク?、社会保険は年金事務所?といつも混乱する
- 繁忙期に採用が重なり、手続きが後回しになりやすい
- 入社手続きから給与計算まで、まとめて任せたい
「入社のたびにこれとこれをやらなきゃいけない」という積み重ねが、オーナーの時間を少しずつ削っています。AILLにお気軽にご相談ください。
📋 給与計算代行のご相談、受け付けています
入社・退社のたびに発生する保険手続きも、給与計算代行に含めてお任せいただけます。「どこまで頼めるの?」という確認だけでもお気軽にご連絡ください。
まとめ
- 保険加入手続きは雇用保険(ハローワーク)と社会保険(年金事務所)の2種類。提出先が異なる
- 雇用保険の条件:週20時間以上 かつ 31日以上の雇用見込み。期限は入社翌月10日
- 社会保険の条件:所定労働時間・日数が正社員の4分の3以上。期限は入社から5日以内(要注意)
- 入社時に確認するもの:マイナンバー・雇用保険被保険者証・扶養控除等申告書・給与振込口座
- マイナンバーは後から集めると、忘れてしまいがち。入社当日に確認する流れを作っておく
- 毎月発生する入退社手続きは、給与計算代行に含めると漏れが防げる