「フライヤー完全ガイド|向いてる性格・仕事内容・教え方」AILLコンサルティング ブログ#069

「フライヤーは商材の種類が多くて、覚えるのが大変そう」

新人クルーの配置を考えるとき、そんなイメージを持たれることがよくあります。でも実際にやらせてみると、難しさの正体は商材の数ではなく、もっと別のところにあると感じています。

前回の記事(#62 カウンター編#65 ライス編)に続き、ポジション診断シリーズ第3弾となる今回は、「フライヤー」に向いている性格、実際の仕事内容、そして現場での教え方をまとめていきます。


フライヤーに向いてる人・向いてない人

注文を聞きながら瞬時にフライヤーへ投入するクルーのイメージ

フライヤーに向いているかどうかを分けるのは、スピードと正確さを両立できるかどうかです。どの商品にどの商材が入っているかを覚えるのは、あくまで初歩の初歩。本当に求められるのは、カウンターとお客様のやり取りを聞いて、注文が確定する前に揚げる瞬発力です。

1秒でも早く商品を提供するためには、「注文が入ってから動く」では遅いです。カウンターとお客様のやり取りから「この商品が入る」と判断して、フライヤーに商材を投入しておく。このスピードが、フライヤーというポジションの核になります。

加えて、フライヤーは商材を投入すると同時に、出来上がった商品の盛り付けもこなさなければなりません。2つの作業を並行させながら、どちらを優先すべきかをその都度判断する力が必要です。一つのことに集中すると安心するタイプよりも、複数の作業を同時に回しながら瞬時に優先順位を切り替えられる人の方が向いています。

スポーツで例えるなら、じっくり力を溜めて一撃を放つタイプではなく、バドミントンや卓球のように、テキパキと反射的に動き続けるタイプがイメージに近いです。力の強さよりも、瞬発力と判断力がものを言うポジションだと感じています。

逆に向いていないのは、一つの作業をじっくり丁寧にこなしたいタイプや、複数のことを同時に考えると混乱してしまうタイプです。フライヤーは「揚げる」という単純作業に見えて、実際には常に先を読みながら手と頭を同時に動かし続けるポジションなので、そのギャップに苦戦する新人クルーは少なくありません。


フライヤーの仕事内容

揚げ物の投入と盛り付けを同時にこなすクルーのイメージ

フライヤーの仕事は、時間帯によって求められる動き方が大きく変わります。

ピーク前やピークの初期段階では、プロダクトスケジュール表に基づいて、30分以内に出るであろう商品をあらかじめ準備しておきます。ピークが終盤に差しかかったら、ストックの量を調整し、出るか出ないかわからないものは準備しないという判断に切り替えます。ピークが終わったら、一つずつ揚げ物をフライヤーに投入していく形に戻ります。

このとき大事なのが、カウンターとお客様のやり取りを聞きながら、注文が確定する前に揚げ始めることです。注文にはカウンター注文・電話注文・ネット注文の3種類がありますが、これらをできる限りまとめて投入するようにします。バラバラに投入すると同じ商品でも揚げ上がりの時間がずれてしまい、フライヤーの中で混ざってどれがどれだかわからなくなってしまうからです。

出来上がった商品の扱いは2パターンあります。ライスの上に乗せる商品の場合は、ライスから商品を受け取り、揚げ物を乗せ、蓋を閉め、小袋をつけ、お弁当シールを貼って提供します。ライスの上に乗せない商品の場合は、自分で容器に詰め、小袋をつけ、お弁当シールを貼って提供します。

揚げる・盛り付ける・判断するを絶えず同時進行させながら、提供スピードを落とさないこと。これがフライヤーというポジションの実態です。


フライヤーの仕事の教え方

新人クルーにフライヤー業務を教えるほっともっとオーナーのイメージ

私の店舗では、まずタイマーアプリの使い方から教えます。ここが土台になるので、迷わず操作できるようになるまで繰り返し練習してもらいます。

次に教えるのが揚げ物ごとの注意点です。例えば、ある商品は投入した直後に衣が破けやすいため、絶対に触ってはいけません。また別の商品は、投入直後と揚げ上がる直前の色の違いがほとんど見分けられないため、混ぜてはいけないというルールがあります。こうした商品ごとのクセを一つずつ覚えてもらう段階です。

その次に、盛り付け時の注意点に進みます。何等分にカットするか、揚げ物の表裏の向き、油切りの時間や保管方法など、見た目と品質に直結する細かいルールを教えていきます。

メニュー暗記は重要ではありますが、優先順位はライスほど重視していません。フライヤーの場合、ディシャップなどからの指示で「何を何個揚げてほしいか」を、その通りに投入できれば何とかなるからです。それよりも、いかにスピーディーに商材を投入できるかの方が求められます。

タイマー操作→商品ごとの注意点→盛り付けのルールという順番で段階を踏み、最後にピークの中で必要なものだけを見極める判断力を実践の中で磨いてもらう。ここは経験がものを言う部分なので、揚げ忘れだけは絶対にしないよう繰り返し声をかけながら、少しずつ任せる範囲を広げています。

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まとめ

  • フライヤーに向いているのは「力の強さ」ではなく、スピードと正確さを両立できる人。30分後まで考えて動く判断力と瞬発力が肝心
  • 投入作業と盛り付け作業を同時にこなす必要があり、2つの作業の優先順位をその都度判断する力が求められる
  • 仕事内容は、ピーク前後で「準備しておく」から「出るか出ないかわからないものは揚げない」へと判断基準を切り替えながら、店頭・電話・ネットから来る注文を提供まで仕上げる
  • 難しいのはピーク中盤〜終盤の見極めと揚げ忘れの防止。揚げ忘れは提供時間の遅れに直結するため絶対に避けなければならない
  • 教え方は、タイマーアプリの使い方→商品ごとの注意点→盛り付けのルールの順で段階を踏み、メニュー暗記よりもスピーディーな投入を優先して育てる