「傷病手当金とは?受給要件・金額計算・社会保険に加入しているメリット」AILLコンサルティング ブログ#049

数年前、体調を崩して1週間ほど店に出られなかった時期がありました。

「休んだら売上が落ちる」「自分の給料も減ってしまうかもしれない」。そんな不安を抱えながらベッドの中で悶々としていたのを覚えています。そのとき、社労士さんから「傷病手当金、申請してますか?」と聞かれて、恥ずかしながら「それ何ですか?」と聞き返したんです(笑)

調べてみると、法人化して社会保険(協会けんぽ)に加入していたおかげで、私自身もこの制度の対象になることがわかりました。今日はFCオーナー向けに「傷病手当金」の受給要件と金額の計算方法、そして社会保険に加入しているからこそのメリットについてお話しします。


傷病手当金ってどんな制度?受給の要件

健康保険証を手に受給要件を確認するほっともっとオーナーのイメージ

傷病手当金とは、病気やケガで働けなくなった被保険者に、健康保険から支給される手当のことです。休業中の生活を支えるための制度で、次の4つの要件をすべて満たすと受給できます。

  1. 業務外の病気・ケガによる療養であること(仕事中のケガは労災の対象になるので対象外です)
  2. 療養のため、仕事に就くことができない状態であること
  3. 連続する3日間を含み、4日以上仕事を休んでいること(最初の3日間は「待期期間」と呼ばれ、支給対象外です)
  4. 休業した期間について、給与の支払いがないこと(給与が出ていても、傷病手当金の額より少なければ差額が支給されます)

ここで大事なのが、この制度は健康保険(協会けんぽや組合健保)の被保険者だけが対象という点です。個人事業主として国民健康保険に加入している方には、原則としてこの制度がありません。法人化して社会保険に加入しているオーナーだからこそ使える制度なんです。


支給される金額はどう計算する?

電卓で傷病手当金の支給額を計算するほっともっとオーナーのイメージ

気になる支給額は、次の計算式で求めます。

項目 内容
計算式 支給開始日以前12か月間の標準報酬月額の平均 ÷ 30日 × 2/3
支給期間 支給開始日から通算して1年6か月
支給開始日 待期期間(3日間)が完成した後、仕事に就けなかった日の4日目から

たとえば標準報酬月額が30万円の方であれば、1日あたり約6,667円(30万円÷30日×2/3)が支給される計算になります。1か月休業すれば、約20万円ほどが健康保険から支給されるイメージですね。

(※あくまで概算です。実際の標準報酬月額や支給開始日によって金額は変わるので、正確な金額は協会けんぽや社労士さんに確認してください。)


社会保険に加入しているからこそのメリット

社会保険加入のメリットについて社労士と相談するほっともっとオーナーのイメージ

社会保険料って、正直「払うだけの負担」というイメージを持たれがちです。私自身もそう感じていた時期がありました。でも傷病手当金を知ってから、見方が変わりました。

法人の役員であっても、協会けんぽの被保険者であれば傷病手当金の対象になります。個人事業主だと、体調を崩して働けなくなった瞬間に収入がゼロになってしまうリスクがありますが、法人化して社会保険に加入していれば、そのリスクに備えられるわけです。

これはクルーにとっても同じです。社会保険加入基準を満たしているクルーも、病気やケガで長期間休むことになった場合、傷病手当金の対象になります。「社会保険に入るとどんなメリットがあるの?」とクルーから聞かれたとき、将来の年金や保険料の話だけでなく、こうした「もしもの時の備え」も一緒に伝えると、加入への納得感が違ってくると思います。


使うときに気をつけること

療養を終えて店舗に復帰するほっともっとオーナーのイメージ

① 申請には医師の意見書と事業主の証明が必要

傷病手当金の申請書には、療養担当医師が労務不能であったことを証明する欄と、事業主が給与の支払い状況を証明する欄があります。自分が事業主本人の場合でも、この証明欄は必要になるので、協会けんぽや社労士さんに確認しながら準備すると安心です。

② 給与(役員報酬)が出ていると調整される

休業期間中も役員報酬をそのまま支払っていると、給与とみなされて傷病手当金が減額・不支給になることがあります。役員自身が休業する場合は、報酬の取り扱いをどうするか、事前に税理士さんとも相談しておいたほうがいいです。

③ 有給休暇と選ぶ必要がある

有給休暇を消化している期間は給与が発生しているとみなされるため、その期間は傷病手当金を受給できません。長期の療養が見込まれる場合は、有給をどのタイミングで使うか、計画的に考えておくのがおすすめです。

私自身、あの1週間は「体を治すこと」で頭がいっぱいで、傷病手当金のことなんて全く頭にありませんでした。もし何も知らないまま過ごしていたら、申請できたはずの手当を受け取れずに終わっていたと思います。

「まさか自分が」と思うタイミングほど、制度を知らないと損をしてしまいます。社会保険に加入しているオーナーさん・クルーさんは、いざという時のためにこの制度の存在だけでも覚えておいてほしいなと思います。

📋 社会保険まわりのご相談も承っています

AILLコンサルティングでは、ほっともっとオーナー向けに傷病手当金の申請サポートを含む社会保険まわりの労務相談を行っています。「これって対象になるのかな?」という段階でもお気軽にご相談ください。

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まとめ

  • 傷病手当金は、業務外の病気・ケガで働けなくなった健康保険の被保険者に支給される手当
  • 受給には「業務外の療養」「就労不能」「連続3日を含む4日以上の休業」「給与の未払い」の4要件が必要
  • 支給額は標準報酬月額の平均÷30日×2/3、支給期間は通算1年6か月
  • 個人事業主(国民健康保険)にはない制度で、法人化・社会保険加入だからこそ受けられるメリット
  • 社会保険加入基準を満たすクルーも対象になるため、加入のメリットとして伝えると納得感が高まる
  • 役員報酬の取り扱いや有給休暇との調整には注意し、社労士に相談しながら申請するのが安心