「正社員化コースとは?パートを正社員にするだけで80万円」AILLコンサルティング 助成金#004

「うちにも長く働いてくれているパートさんがいるんだけど……」

そういうオーナー、多いんじゃないでしょうか。私のお店にも、ずっと一緒に働いてきたスタッフがいます。

実はそのスタッフを正社員にするとき、1人あたり80万円の助成金が受け取れる制度があります。今回はキャリアアップ助成金の「正社員化コース」について、仕組み・金額・条件・申請の流れをまとめて解説します。


正社員化コースとは?

飲食店パートスタッフから正社員へのキャリアアップイメージ

一言で言うと、「有期雇用(パート・アルバイト)のスタッフを正社員に転換したら、国がお金をくれる制度」です。

ほっともっとの場合、長く働いてくれているクルーや店長候補を正社員にするタイミングで使えます。転換する人数分だけ受給できるので、2名転換すれば160万円になります。

項目 内容
受給額 転換1人あたり80万円(中小企業)
対象 有期雇用(パート・アルバイト)から正規雇用(正社員)への転換
申請タイミング 事前に計画書を提出したうえで、正社員転換後6ヶ月分の賃金支払い完了後
受給までの期間 転換から約1年〜1年半程度

申請するための3つの条件

正社員化コース申請の3つの条件チェックリスト|就業規則・6か月以上の雇用実績・計画書の事前提出

正社員化コースには、いくつか満たすべき条件があります。特に重要な3つを解説します。

① 就業規則に正社員転換の規定が明記されていること

これが最重要です。「有期雇用から正社員に転換できる」という条件を就業規則に書いておく必要があります。私自身、計画書を提出した後に調査員から『就業規則に正社員化の記載はありますか?』と確認が入りました。正直、焦りました(笑)。ただ、すぐに就業規則を変更して労働基準監督署に提出したら無事に通りました。本来は事前に整備しておくのがベストですが、指摘を受けてからでも間に合うケースがあります。気づいた時点で動くことが大事です。

② 転換前に6ヶ月以上の雇用実績があること

パートやアルバイトとして6ヶ月以上継続して雇用していたスタッフが対象です。長く働いてくれているスタッフほど、申請しやすい条件になっています。

③ 事前に計画書を提出していること

正社員化する前に、ハローワークへ計画書を提出する必要があります。正社員にしてから「あ、申請しよう」では遅いんです。ここが賃金改定コースと同様、一番の落とし穴です。


【実体験】私のお店で2名を正社員化します

キャリアアップ助成金・正社員化コースのイメージ|パートスタッフが正社員に転換する前後の比較

私のお店でも、2026年6月に2名を正社員化する予定です。現在は計画書を提出した段階です。

2人のプロフィールはこちらです。

対象者 パート歴 正社員化予定 受給見込み額
スタッフD 5年 2026年6月 80万円
スタッフE 3年 2026年6月 80万円
合計 160万円

2人とも長年一緒に働いてきたスタッフです。5年・3年と頑張ってくれた人を正社員にしたい——その気持ちと、助成金の制度がちょうど重なりました。

「正社員にしてあげたいけど、固定費が増えるのが不安」というオーナーも多いと思います。少し試算してみましょう。

現在の時給1,200円・1日8時間・週5日勤務の場合、月収は約20.8万円。正社員後の月給25万円との差額は約4.2万円、年間で約50万円のコスト増になります。

80万円の助成金があれば、約1年半分のコスト増を補填できる計算です。「固定費が増える不安」をそのまま助成金でカバーできるイメージですね。

そしてコスト面だけじゃなく、正社員化にはオーナー目線での大きなメリットがあります。

パートのままだと、どうしても「責任の範囲」に限界があります。でも社員になると、本人の意識が変わる。社員としての自覚が生まれ、自分がいなくても店が回るようになるんです。

これ、オーナーにとってどれだけ大きいか。私自身、正社員化を進めようと思った理由のひとつがここにあります。自分がいなくても動く店をつくることで、2店舗目・3店舗目への増店体制が整う。助成金はその背中を押してくれるお金でもあると思っています。

💡 賃金改定コースと合わせると最大220万円

私のお店の場合、賃金改定コース(60万円)+正社員化コース(160万円)で合計220万円の受給見込みになります。2つのコースを組み合わせることで、受給額が大きく変わります。


申請の流れ

キャリアアップ助成金・正社員化コースの申請手順|就業規則整備から助成金受給まで6ステップの流れ

正社員化コースの申請は、大きく以下の流れで進みます。

ステップ 内容 タイミング
① 就業規則の整備 正社員転換規定を明記する 計画書提出前
② 計画書の提出 Webで転換計画書を提出(ハローワーク窓口でも可) 正社員化の前
③ 正社員への転換 対象スタッフを正社員に転換 計画書提出後
④ 6ヶ月間の賃金支払い 正社員として6ヶ月分の賃金を支払う 転換後6ヶ月
⑤ 支給申請 Webで支給申請書を提出(ハローワーク窓口でも可) 6ヶ月経過後
⑥ 審査・受給 審査を経て助成金が振り込まれる 申請から数ヶ月後

全体のスケジュールとしては、計画書提出から受給まで約1年〜1年半かかります。時間はかかりますが、準備さえ整えれば確実に進められます。


こんなオーナーにこそ使ってほしい

長年勤続スタッフの正社員化を考えるほっともっとオーナーのイメージ

正社員化コースは、特にこういうオーナーに使ってほしい制度です。

  • 長年働いてくれているスタッフを正社員にしてあげたいと思っている
  • 店長を育てたいが、固定費の増加が不安
  • スタッフの定着率を上げたい
  • 将来的に多店舗展開を考えている

正社員化することで、スタッフのモチベーションが上がり、定着率も改善されます。そして助成金で固定費増加の不安を和らげることができる。オーナーにとってもスタッフにとっても、いい制度だと思っています。

📋 正社員化を考えているオーナーへ

「うちのスタッフは対象になるの?」「就業規則はどう整備すればいい?」——AILLコンサルティングでは、そんな疑問に無料でお答えします。まずは気軽にご相談ください。当社で申請する方へは、就業規則テンプレートのプレゼントもあります。

▶ 無料相談はこちら

まとめ

  • 正社員化コースは転換1人あたり80万円。2名なら160万円
  • 申請の最重要条件は就業規則への転換規定の明記
  • 転換前に6ヶ月以上の雇用実績が必要
  • 計画書は正社員化の前に提出が必須(事後申請は不可)
  • 賃金改定コースと組み合わせると受給額がさらに大きくなる
  • 計画書提出から受給まで約1年〜1年半かかる

次回は「助成金申請に必要な書類一覧【飲食店版】」です。何を準備すればいいか、具体的にまとめます。お楽しみに!