「清掃が定着しない理由と、現場で機能させる3つの仕組み」AILLコンサルティング ブログ#043

「クリーンスケジュール表、ちゃんと壁に貼ってるんですけど……定着しなくて」

エリアマネージャー時代、店長から何度も聞いた言葉です。正直に言うと、私も全く同じ経験をしています。

クリーンスケジュール表を作って、厨房に掲示して、最初の1週間はみんなやってくれる。でも2週間後にはうっすら無視され、1か月後には誰も見ていない——という流れを、何度繰り返したことか(笑)

そのたびに「もっとちゃんとやってよ」と言いたくなるのですが、ちょっと待ってください。

清掃が定着しない本当の原因は、クルーのやる気や意識ではなく、仕組みの問題なんです。


清掃が「続かない」本当の理由

清掃定着の悩みを抱えるほっともっとオーナーのイメージ

清掃が定着しない原因を一言で表すなら、「やって当然」という前提になっているからだと思います。

クルーの立場から考えてみてください。入ったばかりの新人さんは、業務の流れを覚えるだけで精一杯です。その状況で「清掃もちゃんとやってね」と言われても、正直、いつ、どうやって、どこまでやればいいかわからない、というのが本音だったりします。

また、清掃の「完了基準」が曖昧なことも大きな原因です。「フライヤー周りをきれいにしてね」という指示は、人によって「拭いた」「磨いた」「油かすを取り除いた」とバラバラに解釈されます。クルーはサボっているのではなく、何をどこまでやればいいかわからないだけ、ということが多いんですよね。

そして3つ目の原因が、「やっても誰も気にしていない」という感覚です。頑張ってきれいにしても誰にも気づいてもらえなければ、だんだん「やらなくていいか」となってしまいます。承認や達成感がないと、人はなかなか続けられないんです。

つまり清掃を定着させるために必要なのは、クルーを叱ることでも、貼り紙を増やすことでもなく、仕組みを変えることです。


現場で機能させる3つの仕組み

清掃作業の内容を細かく書き出したリストを確認するほっともっとオーナーのイメージ

私が自分のお店で実際に試して、効果を感じた仕組みを3つ紹介します。

仕組み①:「やること」を行動レベルまで分解する

まず大事なのが、清掃の内容を「誰でもできる行動」レベルまで落とし込むことです。

「カウンターをきれいにする」ではなく、「カウンターを洗剤を使ってダスターで一度拭いてから、乾拭きする」。「冷蔵庫を掃除する」ではなく、「庫内の網を取り出して、網の汚れと底のカスを除去する」。

これぐらい具体的に書いておくと、誰がやっても同じクオリティになります。そして新人のクルーでも「これをやれば完了」という安心感が生まれます。

「ここまで細かく書くの?」と思うかもしれませんが、これが一番の近道です。私も最初はざっくりしたクリーンスケジュール表を作っていましたが、行動レベルまで落とし込んで書き直してからは、クオリティのばらつきがぐっと減りました。

一度しっかり作ってしまえば、あとは使いまわせるので手間は最初だけです。

仕組み②:「完了確認」を見える化する

清掃チェックリストに記入するほっともっとクルーのイメージ

次に大事なのが、「やった・やっていない」がひと目でわかる仕組みをつくることです。

シンプルに効果的なのが、チェックボックス式のシートです。清掃が終わったらチェックを入れる——それだけのことですが、「誰が何を確認したか」が記録に残るようになります。

さらに一歩進めると、清掃後の写真を撮ってもらうのも効果的でした。「フライヤー清掃後」の写真をLINEで共有してもらう仕組みにしたところ、仕上がりのクオリティが上がりました。写真を撮る=完了の証拠を残す、というプレッシャーが、自然と丁寧さにつながるんですよね。

「面倒くさい」と感じるクルーも最初はいます。でも続けると習慣になりますし、「ちゃんとやっている」ことが記録として残るのは、クルー本人にとっても悪い話ではありません。「言った・言わない、やった・やっていない」のトラブルも防げます。

仕組み③:「ほめる仕組み」をつくる

3つ目が、清掃をきちんとやったことを承認する仕組みです。

これ、一番後回しにされがちなんですが、実はとても重要です。人は「やって当たり前」と思われている作業より、「ちゃんと見てもらっている」作業の方がモチベーションが続きます。

シフトが終わったときに「今日の清掃、きれいだったね」と一言声をかけるだけでもOKです。LINEで「今日のフライヤーの清掃ありがとう。きれいでした!」と送るだけでも変わります。難しく考えなくていいんです。

要は「やったことを見ている人がいる」という感覚を作れるかどうか、だと思います。それだけで、クルーは意外と動いてくれるようになります。


3つの仕組みを整えると、何が変わるか

清掃が行き届いたほっともっと店舗のキッチンイメージ

この3つを整えると、まず「清掃の抜け」が目に見えて減ります。

そして副次的な効果として、クルーが自分の仕事に自信を持ちやすくなります。「ちゃんとできている」という感覚は、仕事のやりがいに直結します。長く働いてくれるクルーが増えると、採用コストも下がります。清掃の定着って、実はクルーの定着にもつながっているんです。

逆に、仕組みなしに「清掃ちゃんとやってよ」と言い続けるだけでは、いつまでも変わりません。指示疲れで、ストレスが増えるだけです。恥ずかしながら、私が実際に経験してきたことです(笑)

「清掃」は地味に見えますが、店舗の信頼感や衛生管理、クルーの仕事への姿勢にも直結しています。仕組みひとつで変わる部分が大きいので、ぜひ取り組んでみてください。


まずは「1か所だけ」仕組みを変えてみる

「全部やろう」と思うと大変に感じるかもしれません。だったら、まず1か所だけ試してみてください

たとえば、フライヤーの清掃だけ、チェックシートを作ってみる。それだけでも変化は感じられるはずです。うまくいったら、少しずつ広げていけばいい。

清掃の問題は「クルーのやる気」の問題ではなく、「仕組み」の問題です。仕組みさえ整えば、クルーは動いてくれます。そして仕組みが回り始めると、オーナー自身もラクになります。

「うちの店、清掃がなかなか定着しなくて……」という方は、ぜひ一度この3つの仕組みを意識してみてください。

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まとめ

  • 清掃が定着しない原因はクルーのやる気ではなく、仕組みの問題
  • 仕組み①:やることを行動レベルまで細かく分解して書き出す
  • 仕組み②:チェックシートや写真で「完了確認」を見える化する
  • 仕組み③:きちんとやったことを承認・ほめる仕組みをつくる
  • まずは1か所だけ試してみるのがおすすめ