私がエリアマネージャーをやっていた頃、担当していたオーナーさんのひとりが「俺のマンションは社宅にしてるんだ」とさらっと話してくれたことがありました。
当時は「ふーん、そんな方法があるんだ」くらいにしか思っていなかったんですが、自分がオーナーとなり、法人化したときにその話を思い出して、すぐ税理士さんに相談してみたんです。
やってみると思ったよりシンプルで、効果も大きくて。「あのオーナーさんに教えてもらっていてよかった」と感謝しました(笑)
今日はFCオーナー向けに「社宅制度」の仕組みと節税効果についてお話しします。
社宅制度ってどういう制度?

社宅制度とは、会社(法人)が住宅を借り上げて、役員や従業員に貸し出す制度のことです。
「社宅」と聞くと、大企業が社員に用意する専用アパートのイメージがあるかもしれません。でも最近は、法人が一般の賃貸物件を借り上げる「借り上げ社宅」という形が主流で、FCオーナーのような中小法人でも十分に活用できます。
仕組みはこんな感じです。
- 法人(あなたの会社)が賃貸物件と契約する
- 役員(オーナーであるあなた)がその物件に住む
- 一定の金額(賃料相当額)を自己負担として会社に支払う
- 残りの家賃は法人の経費として計上できる
個人で家賃を払うと、それは「個人の生活費」なので経費にはなりません。でも法人が家賃を払って社宅として使えば、その大部分が会社の経費になるんです。
「賃料相当額」って何?自己負担はどのくらい?

社宅制度で鍵になるのが「賃料相当額」という概念です。
役員が社宅に住む場合、会社からタダで住まわせてもらうと「現物給与」とみなされて課税対象になってしまいます。それを避けるために、税法で定められた計算式をもとにした「賃料相当額」を自己負担として会社に払う必要があります。
この賃料相当額は固定資産税の課税標準額をもとに計算しますが、一般的な目安として法人が払う家賃の10〜20%程度になることが多いです。
(※正確な金額は物件の課税標準額によって変わります。必ず税理士さんと一緒に計算してください。)
たとえばこんなイメージです。
| 項目 | 社宅なし(個人契約) | 社宅あり(法人契約) |
|---|---|---|
| 月の家賃 | 8万円(個人が全額払う) | 8万円(法人が払う) |
| 自己負担分 | 8万円(全額) | 約1〜1.5万円程度 |
| 法人の経費 | 0円 | 約6.5〜7万円 |
同じ物件に住んでいるのに、法人契約にするだけで毎月6〜7万円が会社の経費になるわけです。年間にすると70〜80万円以上の経費化ができる計算ですね。これ、かなり大きくないですか?
役員報酬を変えずに手取りが増える

社宅制度の魅力は節税効果だけじゃないんです。手取りアップにもつながります。
社宅の家賃負担分は「給与」として扱われないため、社会保険料(健康保険・厚生年金)の計算には含まれません。
役員報酬を高くすると社会保険料も一緒に増えてしまいますよね。でも社宅制度を使えば、報酬額はそのままで実質的な手取り(生活費)を増やせるんです。
たとえばこんな例で考えてみます。
- 月給40万円の役員が、個人で月8万円の家賃を払っている→ 実質的な手取りは32万円ほど
- 社宅制度を使って自己負担を1.5万円にすれば → 実質的な手取りは38.5万円相当に
差額の6.5万円が、社会保険料の増加なしで増える。これが社宅制度の強みです。法人の節税 + 社会保険料の効率化 + 手取りアップ、という三重の効果があります。
使うときに気をつけること

良いことばかり書いてきましたが、正直に気をつけてほしいポイントもお伝えします。
① 賃貸契約の名義を法人にする必要がある
社宅制度を使うには、賃貸借契約の名義が法人でなければなりません。今住んでいる物件が個人名義の場合は、法人名義に切り替える手続きが必要です。管理会社によっては法人契約に対応していないケースもあるので、まず確認が必要ですね。
② 賃料相当額の計算はきちんと行う
自己負担の計算を間違えると、税務調査で「給与として課税すべき」と指摘されることがあります。「だいたい家賃の10%くらいでいいだろう」と自己流でやるのは危険です。税理士さんと正確に計算するのがベストです。
③ 個人事業主は対象外
社宅制度は法人(会社)が前提の制度です。個人事業主として活動しているオーナーさんは活用できません。ほっともっとのFC契約が法人名義になっているかどうかを確認してみてください。
FCオーナーこそ活用したい制度

ほっともっとのオーナーさんの場合、法人で経営している方も多いですよね。
法人で経営しているなら、役員社宅は節税のかなり王道の手段です。でも「そんな制度があるとは知らなかった」「税理士さんに言われたことがない」という方も、実は意外と多い印象があります。
私自身は、エリアマネージャー時代に担当していたオーナーさんが自分のマンションを社宅にしているという話を聞いていたんです。だから自分が法人化したときは、税理士さんに自分からお願いしました。エリアマネージャー時代に経験をしていたのは運が良かったと思います。
すでに個人名義で借りている方も、更新のタイミングで切り替えを検討してみる価値は十分あります。
「自分の法人でも使えるのかな?」と思ったら、まず税理士さんに相談してみてください。そしてもし「法人の労務まわりも一緒に整えたい」となったら、AILLにもお声がけください。
📋 FCオーナー向けの労務・節税サポート
AILLコンサルティングでは、ほっともっとオーナー向けに社宅制度の検討を含む法人の労務サポートを行っています。「何から手をつければいいかわからない」でも大丈夫です。お気軽にご相談ください。
まとめ
- 社宅制度は、法人が住宅を借り上げてオーナー(役員)に貸す仕組み
- 家賃の大部分(約80〜90%)を法人の経費にできる
- 自己負担(賃料相当額)は、法人が払う家賃の10〜20%程度が目安
- 給与扱いにならないため、社会保険料が増えずに手取りが増える
- 法人名義の賃貸契約が必要。賃料相当額の計算は税理士と確認するのがベスト
- 個人事業主は対象外。法人で経営しているオーナーが使える制度